コンサル日記:目的の深掘りを飛ばしたら、提案が刺さらなかった話


自己採点50点未満だった、理事長への提案の日
正直に言います。
先日、支援先の病院で、理事長と社内メンバーが集まる定例会がありました。今取り組んでいる施策について、その説明役をぼくが任されたんです。
終わった後、自分の中で採点したら、正直50点未満でした。
内容が間違っていたわけじゃないんです。プロセスも、ちゃんと考えて準備していました。でも、話し終えたときの理事長や周りの表情を見て、「あ、これは刺さってないな」って、すぐにわかりました。
みなさんは、内容に自信があったはずなのに、なぜか手応えがない説明をしてしまった経験、ありませんか?
何が足りなかったのか
終わった後に自分の説明を振り返ってみて、原因がはっきりしました。
ぼくは、細かいプロセスの話ばかりしていたんです。
「まずこれをやって、次にこれをやって、こういう手順で進めます」——そういう説明を、丁寧に丁寧にしていました。目的についても、一応触れてはいたんです。でも、その目的を深掘りするところまで行っていなかった。
つまり、「この施策をやると、病院はこう変わります」「これが実現すると、こんな未来が見えてきます」という、相手が思わず前のめりになるようなイメージを、まったく渡せていなかったんですよね。
理事長にとっては、プロセスの手順そのものより、「それをやった先に何があるのか」の方がずっと知りたいことだったはずです。それを飛ばして、いきなり手順の説明から入ってしまった。順番が逆だったんです。
薬剤師時代には、なかった感覚
閑話休題ではないですが、少し話がそれます。
薬剤師として現場に立っていた頃は、目の前の業務がそのまま結果につながる仕事が多かったんです。処方箋を正確に調剤する、患者さんに服薬指導をする。目的と行動がほぼ直結していて、わざわざ「これをやるとこんな未来が」と語る必要は、あまりなかったんですよね。
でも、コンサルという仕事は違います。
こちらの提案は、相手にとって「まだ実現していない未来」の話です。その未来にワクワクしてもらえなければ、どんなに緻密なプロセスを説明しても、聞く側の熱量は上がらない。今回、身をもってそれを実感しました。
みなさんの職種でも、「プロセスは完璧なのに、なぜか伝わらない」という壁にぶつかったこと、あるんじゃないでしょうか。
「目的→深掘り→プロセス」の順番
この失敗から、自分なりに整理した順番があります。
① 目的を伝える 何のためにこの施策をやるのか、まず一言で示す。
② 目的を深掘りする その目的が達成されたら、具体的に何が変わるのか。相手の立場で、実現後の景色をイメージできるところまで語る。
③ プロセスを伝える ここまで来て初めて、手順やスケジュールの話をする。相手はすでに「その未来が欲しい」と思っている状態なので、プロセスの説明も前向きに聞いてもらえます。
今回のぼくは、①を軽く触れただけで②をすっ飛ばし、いきなり③から話し始めてしまっていたんですよね。順番を間違えると、同じ内容でも、相手に届く熱量がまったく変わってしまう。
次に向けて
当日いきなり話を振られたから、という言い訳は自分でも良くないとわかっています。ただ、今回わかったのは「話す内容が足りなかった」のではなく、「話す順番を間違えていた」ということです。中身はすでに持っていたわけですから、あとは組み立て方さえ直せばいい。そう考えると、次はきっとできる、そう思えています。
次に何かを提案する機会があれば、今度こそこの順番を意識して準備しようと思います。
もし同じように、「内容は悪くないはずなのに、なぜか伝わらない」という壁にぶつかっている方がいたら、一度自分の説明を振り返って、目的の深掘りを飛ばしていないか、確認してみませんか。きっと、話す順番を変えるだけで、伝わり方がガラッと変わるはずです。
