あの日、保育園からの帰り道

とある夕方のことでした。

妻が末っ子(娘)を保育園に迎えに行ったその日、帰宅してくるなり神妙な顔をしていました。

「あのね、先生から言われたんだけど…」

園長先生から、こんな話があったというのです。

「◯◯ちゃん、ちょっと発達がゆっくりで、もしかしたら…専門の機関に相談されてみてはいかがでしょうか」

妻の反応は当然、

「えええええっ?!!!!」

でした。笑

仕事から帰ってきた自分もその話を聞いて、正直にいうと「まさか我が子が?!」と思ってしまいました。

親バカを承知で言わせてほしいのですが、うちの娘は本当に美人なんです。 見た目は健常児と全く変わらず、肌は白いし、目はぱっちりした大きな二重まぶた。 初対面の人にはほぼ確実に「ハーフの子?!」と聞かれるほど。

だから余計に、「発達が遅い?本当に?」と思ってしまった。


でも、悩んでいても何も始まらない

差別的な意図は全くありません、念のため。

ただ、「うちの子はそんなことはない!」と全否定して目を背けても、何も解決しないのも事実です。

むしろ早期に気づいて、早期に動くほど、子どもの成長に繋がる。

これは医療や福祉の世界では常識とも言える話です。 自分が薬剤師として長く医療現場にいた経験からも、そのことはよくわかっていました。

だから気持ちを切り替えて、「じゃあ、具体的に何をすればいいのか」 を考えることにしました。

この記事は、我が家が実際にたどったプロセスをもとに、同じ悩みを抱えるパパ・ママの役に立てればと思って書いています。


実際に我が家がたどったステップ

ステップ1:まず区の窓口に相談した

「何をすべきかわからない」という状態から始まった自分たちがまず向かったのは、区の保健センター(保健予防課) でした。

名古屋市では、子どもの発達に関する相談はまずここから始まります。 保健師さんや心理判定員の方が話を聞いてくれて、経過観察や、次のステップへの紹介を行ってくれます。

「まず何をすればいいのか」という状態であれば、ここに電話一本かければ動き出せます。

他にも、区役所の子育て総合相談窓口 でも対応してもらえます。


ステップ2:地域療育センターで診断を受けた

保健センターを経て紹介してもらったのが、地域療育センター でした。

名古屋市には市内に5か所あり、担当区域が決まっています。

センター名担当区域電話番号
東部地域療育センターぽけっと千種区・名東区・守山区052-784-5300
南部地域療育センターそよ風南区・緑区052-612-3433
中央地域療育センター中区・昭和区・瑞穂区・熱田区052-757-6126
北部地域療育センター北区・東区052-522-5277
西部地域療育センター中村区・中川区・港区・西区(要確認)

診断の流れとしては、だいたいこんな感じです。

  1. 電話で初回相談を予約
  2. 問診
  3. 発達検査
  4. 小児科診察
  5. 診断と今後の方針の提示

我が家の場合、予約から実際の診察まで少し待ちがありました。 早めに動くことをおすすめします。

また、センター以外にも名古屋市内には子どもの発達診療を行っている医療機関がいくつかあります。 名古屋市子ども発達支援サイト「すてっぷサポート(https://stepsupport.city.nagoya.jp/)」で検索できます。


ステップ3:診断が出た。でも、意外なほど落ち着いていた

検査と診察を経て、娘に知的障害の確定診断がつきました。

正直に言います。 「ショックで泣き崩れる」とか「受け入れられなくて悶絶する」みたいなことは、自分にも妻にもありませんでした。

なぜか。

たぶん、動き始めてから診断まで時間がかかったことで、気持ちの準備が自然にできていた んだと思います。 「もしかしたらそうかも」という時間を十分経ていたから、「やっぱりそうだったんだ」という感じで受け止められた。

それと、診断がついたことで逆に「じゃあこれからどうするか」という話が具体的に進み始めたのも大きかったです。


ステップ4:愛護手帳(療育手帳)を取得した

知的障害の診断が出たら、次に取得を勧められたのが愛護手帳です。
ちなみに、これが我が家の愛護手帳です。

名古屋市(愛知県)では療育手帳のことを「愛護手帳」と呼びます。 全国では「療育手帳」として知られているものです。

等級は障害の程度によって4段階。

  • 1度(最重度)
  • 2度(重度)
  • 3度(中度)
  • 4度(軽度)

申請場所: お住まいの区の区役所福祉課・支所区民福祉課

必要書類:

  • 愛護手帳交付申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm、上半身・脱帽・1年以内撮影)
  • マイナンバーが確認できるもの

判定は、18歳未満の場合は中央療育センターが行います。


手帳を持つと、何が変わるか

愛護手帳を取得してから、正直「思ってたよりすごい」と感じています。

名古屋港水族館・名古屋城・名古屋市美術館などが無料 で入れます(本人+介護者2名まで)。 市のスポーツセンターやプールも無料。 市営駐車場も無料〜半額になるものが多い。 市バス・地下鉄も割引になります。

それだけじゃなくて、特別児童扶養手当(国の制度)も申請でき、毎月の支援が受けられます。 重度の場合は月52,500円、中度は月34,970円(令和2年4月時点)。

また、3〜5歳は児童発達支援の利用料が無償化されています(2019年10月から)。 我が家も保育園型・運動支援型の児童発達支援を週数回程度利用しており、娘の成長にとても繋がっていると感じています。

手帳の詳しいメリットはこちらの記事にまとめています。

【関連記事】名古屋市の愛護手帳で得られるメリットとは?


今の娘の様子

診断がついてから、もう2年ほどが経ちました(2026年4月現在)。

娘は相変わらず成長はゆっくりですが、少しずつできることが増えています。

言葉が増えてきた。 自分でご飯を食べられるようになってきた。 お気に入りのキャラクターができた。

そういう小さな一歩一歩が、間近で見ていてもう本当に嬉しい。

子育ては、どんな子でも、本当に楽しいです。


もし同じ状況のパパ・ママへ

「保育園から発達について指摘された」「もしかして我が子は…?」

そう思っているとしたら、まず行動してみてください。

一人で抱え込まないこと。 早く動くほど、子どもにとってもあなたにとっても良い結果になる可能性が高い。

お子さんは決して劣っているわけじゃない。 ただ少し、成長のペースが違うだけです。

名古屋市にはしっかりした支援制度があるので、安心して相談してみてください。


名古屋市の主な相談・問い合わせ先(まとめ)

  • お住まいの区の保健センター保健予防課 ← まず最初にここへ
  • 各区役所の子育て総合相談窓口
  • 名古屋市子ども発達支援サイト「すてっぷサポート:https://stepsupport.city.nagoya.jp/
  • 名古屋市発達障害者支援センター「りんくす名古屋」:052-757-6140

※この記事の情報は2026年4月時点のものです。制度の詳細や最新情報は、名古屋市公式ウェブサイトまたは各窓口に直接お問い合わせください。