- 愛護手帳(療育手帳)の持つ様々なメリットがわかる
- 愛護手帳の申請方法がわかる
はじめに
お子さんの発達に不安を感じていたり、すでに支援を受けている名古屋市在住のご家族へ。愛護手帳(療育手帳)を取得することで、実は驚くほど多くのメリットがあることをご存知でしょうか?
この記事では、名古屋市で愛護手帳を持つことで受けられる具体的な支援やサービスについて、詳しくご紹介します。施設の無料利用、駐車場料金の免除、児童発達支援の負担軽減など、日常生活で役立つ情報を網羅しています。
※注意事項
本記事の情報は2025年11月時点のものです。制度の詳細や条件は変更される場合がありますので、必ず最新情報を各機関の公式サイトでご確認ください。
愛護手帳(療育手帳)とは?
愛護手帳は、知的障害のあるお子さんが様々な支援やサービスを受けやすくするための手帳です。名古屋市を含む愛知県では「愛護手帳」という名称で交付されています。
手帳を持つことで、お子さんの成長に必要な療育サービスを受けやすくなるだけでなく、ご家族全体の経済的負担も軽減できます。
1. 市営施設・観光施設が無料または割引に
名古屋市内の主要な施設が、お子さんと保護者の方(最大2名まで)が無料または割引価格で利用できます。
無料で利用できる施設(本人+介護者2名まで)
- 名古屋港水族館
- 名古屋城
- 名古屋市美術館
- トヨタテクノミュージアム産業技術記念館
- 徳川園
- 白鳥庭園
- 名古屋市野鳥観察館
割引が受けられる施設
- ミッドランドスクエアスカイプロムナード
- 熱田神宮宝物館
- 古川美術館
- 名古屋テレビ塔
- リニア鉄道館
休日のお出かけや、家族での思い出作りに大いに活用できますね。
2. スポーツ施設・プールが無料で利用可能
健康づくりやリフレッシュに欠かせないスポーツ施設も、愛護手帳があれば無料で利用できます。
無料で利用できる施設
- 市内各区のスポーツセンター
- 格技場
- 弓道場
- プール
- トレーニング室
- 市民プール
お子さん本人はもちろん、介護者2名まで無料になるため、家族で気軽に運動を楽しめます。
3. 駐車場料金が無料または半額に
お出かけの際に気になる駐車場料金も、大幅に軽減されます。
市営駐車場の割引
愛護手帳所持者が運転または同乗する場合:
- 100%無料(完全無料)
- 吹上駐車場
- 吹上中央帯駐車場
- 金城ふ頭駐車場
- 50%割引(半額)
- 久屋駐車場
- 大須駐車場
- 古沢公園駐車場
- 池下駐車場
- 大曽根駐車場
公園駐車場(無料)
本人が運転または同乗する普通自動車が対象:
- 徳川園
- 白鳥庭園
- 名城公園
- 中村公園
- 白川公園
- 鶴舞公園
- 荒子川公園
- 戸田川緑地
車での移動が多いご家族にとって、この恩恵は非常に大きいですね。
4. 公共交通機関の運賃割引
日常の移動に欠かせない市バス・地下鉄も割引対象です。
利用できる割引
- 市バス・地下鉄の運賃割引
- 愛護手帳の提示で割引料金が適用
- 割引用マナカの購入可能
- 割引定期券の購入可能
通学や通院、日常のお出かけの交通費負担が軽くなります。
5. 児童発達支援の利用者負担が軽減・無償化
お子さんの成長に重要な療育サービスについても、経済的支援があります。
3〜5歳児は完全無償化
2019年10月から、3歳から5歳までの障害のある子どもの利用料が無償化されています。
- 対象サービス
- 児童発達支援
- 医療型児童発達支援
- 保育所等訪問支援
- 対象期間
- 満3歳になって初めての4月1日から3年間
所得に応じた負担上限(全年齢)
サービス経費の1割を利用料として負担しますが、世帯の所得に応じて上限額が設定されています。
| 世帯の所得区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 生活保護世帯 | 0円 |
| 市民税非課税世帯 | 0円 |
| 世帯年収890万円以下 | 4,600円 |
※愛護手帳がなくても受給者証があれば児童発達支援は利用できますが、手帳があることで他の様々な支援も受けられるため、取得をおすすめします。
6. 児童館(なごホーム)について
「児童館は愛護手帳で割引になるの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
実は、名古屋市の児童館(なごホーム)は18歳未満のすべての子どもとその保護者が無料で自由に利用できる施設です。そのため、愛護手帳の有無に関わらず、どなたでも無料で利用できます。
児童館で楽しめること
- 自由遊び
- 工作教室
- 読み聞かせ
- 季節のイベント
- 子育て相談
障害のあるお子さんも、地域の子どもたちと一緒に遊べる貴重な場所です。我が家でも工作や子育て相談などを目的として、よく児童館に行っています。
7. その他の経済的支援
愛護手帳を持つことで、上記以外にも様々な支援が受けられます。
主な支援制度
- 特別児童扶養手当
- 障害のある子どもを養育している方への手当
- 国税・地方税の諸控除及び減免
- 所得税、住民税などの控除
- NHK受信料の免除
- 条件を満たす場合に受信料が免除
- 公営住宅の優先入居
- 市営住宅への入居申込で優遇措置
日々の生活費や住居面でもサポートが受けられます。
愛護手帳の申請方法
これだけのメリットがある愛護手帳、申請方法も再度確認しておきましょう。
必要なもの
- 指定医師の診断書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- マイナンバーが確認できるもの
申請場所
お住まいの区の区役所福祉課で手続きができます。
申請の流れ
- かかりつけの医師または指定医師に相談
- 診断書を作成してもらう
- 必要書類を持って区役所福祉課へ
- 審査(約1〜2ヶ月)
- 手帳交付
わからないことがあれば、区役所の担当窓口で丁寧に教えてもらえますので、お気軽に相談してみてください。
参考:[名古屋市 – 愛護手帳の申請について]
まとめ:愛護手帳は家族全体をサポートする制度
名古屋市で愛護手帳を持つことのメリットをまとめると:
✅ 施設利用が無料・割引(名古屋港水族館、名古屋城など)
✅ 駐車場料金が無料または半額(市営駐車場、公園駐車場)
✅ スポーツ施設・プールが無料(家族2名まで)
✅ 公共交通機関の運賃割引(市バス・地下鉄)
✅ 児童発達支援の負担軽減・無償化(3〜5歳は完全無料)
✅ その他の経済的支援(特別児童扶養手当、税の控除など)
愛護手帳は、お子さんの成長を支えるだけでなく、ご家族全体の生活をサポートする大切な制度です。「申請を迷っている」「詳しく知りたい」という方は、ぜひお住まいの区の福祉課に相談してみてください。
この記事が、名古屋市で子育てをされているご家族のお役に立てれば幸いです。
関連リンク
※注意事項(再掲)
本記事の情報は2025年11月時点のものです。制度の詳細や条件は変更される場合がありますので、必ず最新情報を各機関の公式サイトでご確認ください。
おまけ:我が家の場合
愛護手帳(療養手帳)について、いろいろとメリットを紹介しました。
我が家でもそのメリットを存分に享受しております。
児童館や市営のプールの利用はもちろんのこと、
保育園型や、運動支援型の児童発達支援をそれぞれ週一回利用もしています。
子育ては個別性が高く、すべてのお子さんに合致するようなことは決して述べられないことは重々承知しておりますが、
「我が家ではこうしている」という一例を最後にお伝えいたしました。
娘が障害児であることを受け入れ、
親として「この子が少しでも楽しく生活できるにはどうすれば」と考えたら、
この手の支援を受けることは確実におすすめできるかと自分は強く思います。
この記事が、障害児を持つ親御さんの、育児の一助になれば幸いです。

